現代日本人は、毎日多くの情報にさらされており、そのせいでストレス社会になってしまっているとよく言います。昔の時代に生きた人が一生で得る分の情報を、たった1日で体験しているなんて話も聞きます。
情報過多になってしまっている原因が、主にネットでしょう。そして、常にスマホを身近に置いておく生活をすることによって、自分の意志とは関係なく、勝手に余計な情報に触れてしまうのです。
そのため、最近では、デジタルデトックスがおすすめされています。スマホやネットに一切触れない日を作ったり、スマホを持たずに外出したりすることによって、少しでも余計な情報を減らそうというものです。
とはいえ、多少デジタルデトックスに挑戦したからと言っても、いつもの日常に戻ってしまえば、また情報過多な生活に逆戻りです。やはり、社会人として生きていく上では、情報は重要なツール、武器になりますし、そうだと信じているから、どうしてもネットを手放せない気持ちもわかります。
ネットもテレビもない環境で、ぼーっと過ごすのもたまにはよいものですが、情報に触れることに慣れている現代人にとっては、そういう時間は不安になるものです。
自分が情報に触れていない間に、自分以外の周りの人達はどんどん新しい情報を得て進歩していき、自分より優れた存在になってしまうのはとても不安です。自分が周りに遅れをとるのがすごく怖いのです。
しかし、よく考えてみれば、人生とは他人より優れた存在になるためにある物ではありません。幸せになることが人生の目標です。それは、ほとんどの人が信じていることでしょう。
つまり、たくさんの情報に触れることで他人より賢くなり、他人に勝つことは、まったく大切な事ではないし、人生には必要のないことです。
現代人は明らかに無駄な情報に触れすぎていると思います。特にスマホを常に身に着けている若い人達は。あまりに常識を知らずに無知なのは生活するのに苦労しそうですが、昔の人はネットがなくても問題なく暮らしていたことを考えると、今よりも大幅に情報をカットしても大丈夫そうです。
実際、義務教育をちゃんと受けて、とりあえず仕事して自立して生活する経験をするぐらい大人になったのなら、もう毎日新しい情報に必死に触れようとしなくてよいと思います。
ネットでは、世界中の情報が手に入ります。それらのほとんどが自分には関係のないことです。一見関係ありそうでも、関係ないことにしておいた方がよいケースがほとんどです。
例えば、「30代男性の平均貯金額」というネット記事があったとします。もし、あなたが「30代男性」だとしたら、あなたにこの記事は関係あるでしょうか? 答えはノーです。
なぜなら、「30代男性の平均貯金額」を知ったところで、どうにもならないからです。自分の貯金が平均額より高かろうが安かろうが同じくらいだろうが、なんにもなりません。他人とは職場も仕事も違うし、生活している場所も生活スタイルも何もかも違うのですから、平均なんかと比べても意味がありません。自分なりの生活をこれまで同様に続けるだけです。
こういった情報に触れてしまうと、自然と他人と比較して悔しくなったり優越感に浸ったりといった感情が生まれてしまいます。そんな無駄な感情が生まれてしまうくらいなら、最初から見ない方がよいでしょう。
では、こんなネット記事はどうでしょうか?
「とある大企業が最新のAIシステムを導入して従業員数千人を解雇した」
これも一見、知っておくとよさそうな情報に思えます。しかし、やはりこういったネット記事も必要なものではありません。なぜなら、こんな情報を知ったところで、自分の行動が変わりますか?
おそらく、不安になるだけでしょう。「自分もいつか会社を解雇されてしまうのではないか」、「AIに仕事を奪われてしまうのではないか」と。結局いつも通りに会社に行って頑張って働くだけです。
もし、こういった情報をもとに自分の行動を更新していき、それで生活が豊かになり、それが生きがいで幸せなんだと感じている特殊な人ならそれでもいいでしょう。しかし、大半の人はそんな情報を目にしたからと言って行動を変えることはしませんし、行動を変えないことが原因で人生が破滅するわけではありません。結局、自分の周りにある狭い環境に影響されて、流れに沿った人生を歩むだけです。
そう考えると、ネットにある広い世界の情報など、ほぼ自分には必要のないことだとわかります。もし本当に必要な情報なら、自然と情報の方からしつこく自分に接触してくるか、自分が必死に探します。
暇なときにぼーっとスマホを眺めて得られるような情報の中には、本当に自分にとって大切なものはほぼありません。
人生は長いようで、過ぎてしまえば短いものです。それだったら、楽しい思い出や幸せな感情をたくさん作りたいものです。そのためには、意味もなくネットを眺めるのはナンセンスです。余計なストレスが生まれてしまいます。
楽しいことのきっかけは、自分の中から生まれてきます。そして、そのきっかけに関する情報収集を能動的に行うのがよいでしょう。しっかりと目的を持った情報収集と、目的もなくネットを眺めるのとでは、大違いです。
本や他人から情報収集するよりもネットは楽です。現代人はネットを手放せません。だからこそ、ネットとの付き合い方をきちんと見直した方がよいでしょう。そのためには、自分にとってネットとは何のためにあるのかをよく考える必要があります。
ネットはただの道具です。調理器具と同じです。買ったけど結局全然使っていない調理器具があれば、そんなものは売るか捨ててしまった方がよいです。ネットもそういうものだと思いましょう。自分の喜びに繋がらないなら、無理に使わなくてもよいのです。
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